2020年3月27日金曜日

マスクを 3Dプリンタで印刷してみた

ウワサの 3Dプリンタマスクを印刷して取り付けてみました
マスクのデータは先日ニュースになっていた公開データを使います

環境

  • macOS 10.15.3
  • QIDI Print 5.3.1
  • QIDI Print X-Smart

日本の Amazon では売り切れになっているようです
自分は 40,000 円ほどで購入しています

.stl ファイル

ここからダウンロードします
男性用と女性用があるようです
この記事内では男性用を紹介します

zip ファイルがダウンロードできるので解凍すると「男性用マスクデータ.stl」というファイルが取り出せます
が Mac で解凍しようとすると以下のエラーになります
おそらく Windows で作った zip ファイルなので以下のエラーになるようです
ditto コマンドや The Unarchiver.app などを使って解凍しましょう

QIDI Print で .gcode 作成

スライサで .gcode を作成します
設定はデフォルトの Fine のままでサポートはなしです
ただスライサの設定でいくつかポイントがあるので紹介します
実は自分は成功するまでに何度もトライアンドエラーを繰り返しました、、

ポイント1: サポートは使わないほうが良さそう

今回プリントする形状はかなり細いです
サポートをありにするとサポートのフィラメントが糸引きなどを起こしそれに引っかかって一番最初のプリントが剥がれるケースが何度もありました
底辺部分がしっかりとビルドプレートに密着するような形状であればサポートありでも全然問題ないのですが今回のマスクのように細くビルドプレートに密着する面積が小さい場合は少しでも引っ掛かりをなくすためにサポートは使わない方が良いかなと思います

ポイント2: -1.5mm ほど Z 軸に埋める

配布されている stl ファイルはかなり正確に作られています
正確にというのはどんな顔にもフィットするように作られているようで Bend している部分がかなりあります
そのせいでスライサで設定する際にただビルドプレートに設置するだけだと空間ができてしまいます
その状態でプリントするとポイント 1 で説明したように接地面が少なくてすぐに剥がれてしまいます
なのであえて接地面を -1.5mm ほど Z 軸方向に埋めることで接地面にぴったりと接するようにすることで最初の層のプリントを安定させます

ポイント3: 向き

上記の写真を見るとわかりますが鼻の部分が下になるように向きを変えています
デフォルトの stl はアーチを描くように設定されています
それでも Z 軸に -1.5mm 移動すれば問題ないとは思うのですが接地面が少なくなります
なので自分はあえて鼻の部分が下に来るように設定しました
またそのほうがオーバハングの角度を抑えられるのでサポートがない場合でもキレイにプリントできる可能性が高くなります

いざプリント

.gcode ファイルを USB に書き出して USB を X-Smart に挿して印刷するだけです
プリントの様子は動画にしているのでそっちを見てください
印刷時間は約 3 時間 30 分、使用フィラメントは 22g でした
動画はさすがに倍速にしています

とりあえずプリント後のマスクはこんな感じです
若干穴の部分のオーバハングがあったのか少し崩れています
また層もたまにミスしている層がありムラがありました

ウラはこんな感じです
紐を通す穴は後述していますがオーバハングでうまくプリントできなかったので後で修復した跡です

サポート除去

今回はサポートなしなので特に除去作業はしません
変わりにオーバハング部分がどうなったか確認しましたが思って以上にしっかり印刷できたかなと思います
ただほつれは当然あるのでそこはヤスリやハンドルータ、ヒートカッターなどで修復しました

一部だけですがほつれがありました
表から見ると若干この部分だけムラになっていた部分です

修復

耳の部分や空気穴がおかしいところはハンダゴテを使って修復しました
紐を通す耳の穴に関しては繋げてしまいました
プリントする時から繋がっていればプリント的には安定すると思います

プリント直後はこんな感じでオーバハングに耐えられずほつれてしまいました

それを余ったフィラメントとハンダゴテで修復してあげました
ハンダゴテで修復すると温度が高すぎるのかすぐにフィラメントがコゲてしまい写真のように若干黒ずんでしまうのが難点です
もう少し温度の引くいこてならこうならないかも、、

さすがに紐はないので既製品のマスクから取ってきます
新品からはもったいないので使用済みマスクから持ってきます
どうやって固定するか悩んだのですが一応糸で刺繍しました
交換するのを想定しないならコテで焼いちゃっても良かったかもしれません

結びだけだと簡単に取れちゃいそうでした
今回は既製品から紐を作りましたが、マスク用ゴム紐なるものが売っているのでそれを購入して付けてもいいと思います

とりあえず完成

こんな感じです
これだけだとジェイソンのマスク感がすごいです

裏はこんな感じ
ハンダゴテで修復した部分のよごれを紐でうまく隠せたかなと思います

ガーゼがなかったのでとりあえずティッシュをあててみました
固定できないので外すたびにスルスル滑ってきちゃうのが難点です
これはちょっと問題かもしれません

つけてみる

実際に付けてみました

硬いマスクですがつけごごちは悪くないです
PLA の部分が直接肌に触れるとひんやりペタペタします
やはりガーゼというかあて布になるものがスルスル滑るのが気になりました
四隅にのりや両面テープをつけて固定してもいいかもしれません
とにかく何かしらの工夫は必要そうです

写真を見てもわかりますが何に当ててるティッシュが透けるくらい薄いです
なので中に色物やキャラクターもののガーゼを当てていると外からわかってしまうかもしれません

意外と隙間はない感じですがやはり素材の関係上、肌に密着する感じは不織布マスクよりかはない感じです
ガーゼの大きさなどを大きくしてカバーするしかないかなと思います

最後に

ウワサのマスク 3Dプリンタをやってみました
マスクとしての実用性と効果がどれほどあるかはわかりませんが、せっかく作ったのでちょっと使い続けてみようかなと思います

形状が複雑なのでプリンタによってはうまくプリントできない可能性もありそうです
stl ファイルを編集してプリントしやすいようにしてあげるのも手かなと思います
今回はサポートなしでやりましたが接地面が安定するのであればサポートありでも全然良いと思います

2020年3月13日金曜日

1.75mm 500グラムのフィラメントで印刷できたもの一覧

忘れないようにメモしておく
これくらいのフィラメントでこれくらい印刷できますっていう情報はあんまり見かけない気がするので

印刷できたもの一覧

全 30 種類
ヒンジなど複数の部品で一つのものは 1 としてカウントしています
写真に含まれていないものが 1 つで印刷ミスで廃棄したのが 2 つあります

だいたいで大きさ別に分けると以下の通りです

  • 大・・・ 4 個
    • フライパン
    • フライパン取っ手
    • トミカレールの土台
    • ヘラ
  • 中・・・ 6 個
    • ドーナッツ
    • ドーナッツ上部分
    • 取っ手 x 2
    • S字フック
    • トミカレール
  • 小・・・ 20 個
    • コイン x 6
    • 四角枠 x 2
    • ミニプラレール x 4
    • ヒンジ
    • ソレノイド用箱
    • バルーンスティック x 2
    • ヘラ取っ手
    • 口紅ケースみたいなやつ (初回のテスト印刷)
    • 印刷ミス x 2 (バルーンスティック土台、ヘラ取っ手一部)

まとめ

1.75mm 500g のフィラメントで大小すべて含めて 30 個ほど印刷したので備忘録として残してみました
今度は 1kg のフィラメントを使うのでそれの目安にはなるかなと思います
当然ですがモデリング時に寸法やオブジェクトの形状をミスらないようにするのが大事かなと思いました

ちなみにほとんどの印刷は積層ピッチ 0.02 でインフィル 15% の設定で印刷しています
当然ピッチを下げたりインフィルを上げればもっとフィラメントを消費するのでプリントできる数も少なくなると思います

今回は一番大きいサイズの印刷がだいたい 15x15x8 くらいだったのですがそれくらいのサイズだと 5 回くらい印刷したら全部なくなってしまう気がします

2020年3月7日土曜日

3Dプリンタおじさん

最近 3D プリンタを買っていろいろモデリングしてプリントしているので紹介します
木材 DIY と電子工作についで 3 つめの DIY カテゴリにしたい
そしてかなりおもしろい

プリンタ紹介

購入したのは QIDI TECH の X-Smart という機種です
3D プリンタとしてはミドルエンドな機種かなと思います

QIDI TECH 3Dプリンター 新モデル:X-Smart,完全にメタル構造,3.5インチのタッチスクリーン

3D プリントも最近は 1 万円台で買える機種もありいろいろ迷ったのですがプリントの精度やフィラメントの対応、使いやすさ、サポート体制などを考えてこれにしました
扉もついているので子供が間違って手を突っ込む心配も少なそうです

個人的にはフィラメントを PLA 以外に ABS も使いたかったのが選択した要因としては大きかったかなと思います
ちなみに X-Smart は PETG というフィラメントにも対応しています
すでに組み立て済みなのでセットアップもそこまで大変じゃないかなと思います

作品

ということでとりあえず作った作品を紹介します
モデリングツールは blender 2.8 を使っています

プラレールミニのレール

印刷時間: 2時間2分

ガチャガチャで手に入るミニプラレール
ガチャガチャだと電車が当たったりレールが当たったりするのでレールだけほしかったため作成
レールのタイプは 4 タイプ作成して「直線 5cm」「直線 10cm」「カーブ 5cm」「カーブ 10cm」ある
大量にプリントすることで本格的に楽しめる

コイン

印刷時間: 46分

お店屋さんごっこに使う
写真だと 3 枚しかないが大量に生産すると結構おもしろい

バルーンステック

印刷時間: 1時間43分

よく風船を配っているときについているスティックのやつ
家の中で風船で遊ぶこともありあったらおもしろいかなーと思って作成
ポイントは棒が着脱可能なこと
棒だけで遊ぶこともできるし棒を別のものに再利用することもできる
またあとで紹介するがスタンドに挿して飾ることもできる

バルーンステック土台

印刷時間: 57分

バルーンステックの棒をさして管理することができる土台
土台というか壁掛けと使う
現状は 3 本までさせる

壁掛けはこんな感じ
ただ後で気づいたが棒の長さが同じだと他の風船と干渉して 3 つはさせない

ミニ蝶番

印刷時間: 50分

とりあえず木材の箱用に作成
スケールすれば大きい箱にも使える
作成時のポイントは棒の半径を少し小さめに抑えること
モデリング時はたいていピッタリで採寸すると思うがそれだとプリント時にたいてい入らない
おそらく理由は積層ピッチやインフィルが影響しているはず
また棒をプリントする場合は細すぎると失敗するのでご注意

木材のミニ箱に取り付けた感じは以下の通り
ネジが飛び出しているのはご愛嬌で

ドーナッツ

印刷時間: (本体) 1時間9分 + (上のやつ) 40分

お店ごっこで使う
上にかぶせるのはチョコレートみたいな色に着色したい

取っ手

印刷時間: 1時間36分

木材の DIY で箱を作ったときに取っ手がほしくなったので作成
PLA の場合は強度が弱いのでそれが心配
ネジで固定する場合はインフィルを少し上げたほうが固定力が高まると思う

ちなみに角を取っていないバージョンも作っています

まとめ

X-Smart は初心者から上級者まで楽しめる 3Dプリンタかなと思います
今は付属の PLA での印刷がメインですが別の色や ABS のフィラメントも購入してもっといろいろとプリントしてみたいです
もしくは PLA に着色するのもありかなと思います

あとは Python API と Face Building ってやつも試してみたいかな