2018年6月28日木曜日

ニフクラ VPN をリージョン間で接続するのはそこそこ簡単

概要

ニフクラ VPN よくわからないという場合にとりあえず成功する感覚をつかみたい場合におすすめ (なはず) です
手順は多いですが、とりあえず同じやり方でやればリージョン間で VPN が張れます
今回は east-1 と west-1 でやっていますが別のリージョン間でもおそらく可能だと思います

環境

  • ニフクラコンパネ (2018/06/28 時点)

VPN ゲートウェイの作成

east-1

プライベート LAN 作成 (CIDR: 172.16.1.0/24)
nifcloud_vpn1.png

VPN ゲートウェイ作成
nifcloud_vpn2.png

VPN ゲートウェイの FW 作成
とりあえずプライベート LAN に割り当てた範囲からは全許可しておきます
nifcloud_vpn3.png

完成図
nifcloud_vpn4.png

west-1

同様に west-1 も作成します

プライベート LAN (CIDR: 172.16.2.0/24)
nifcloud_vpn5.png

VPN ゲートウェイ
nifcloud_vpn6.png

FW
nifcloud_vpn7.png

完成図
nifcloud_vpn8.png

お互いの FW にお互いのグローバル IP を許可する

VPN ゲートウェイにはグローバル IP が付与されています
east-1 に作成した VPN ゲートウェイのグローバル IPからの通信許可を west-1 側の FW に追加します
west-1 に作成した VPN ゲートウェイのグローバル IPからの通信許可を east-1 側の FW に追加します

east-1

east-1 (vpngw1 ファイアウォール)
nifcloud_vpn9.png

west-1

west-1 (vpngw2 ファイアウォール)
nifcloud_vpn10.png

カスタマーゲートウェイの作成

そろそろややこしくなってきます
カスタマーゲートウェイは相手側の VPN 機器の情報なので今回であれば双方の VPN ゲートウェイの情報になります

east-1

  • 対向機器 IP アドレスは west-1 の VPN ゲートウェイのグローバル IP
  • 対向機器 LAN 側 IP アドレス帯は west-1 に作成したプライベート LAN の IP 帯
  • 対向機器 LAN 側 IP アドレスは west-1 の VPN ゲートウェイのグローバル IP

を入力します
最後のやつは「あれ?」と思いますが IKE ID として送られるようでその場合はグローバル IP じゃないとダメなのでグローバル IP を指定します

nifcloud_vpn11_2.png

west-1

同様に west-1 にも作成します

nifcloud_vpn12_2.png

VPN コネクションを作成

双方に作成した VPN ゲートウェイに対してコネクションを作成します
VPN コネクションの作成方法がよくわからなかったのですが、VPN ゲートウェイを選択して左下のプルダウンから選択するようです
nifcloud_vpn13.png

east-1

east-1 の VPN コネクション
nifcloud_vpn14.png

事前共有鍵を空にすると自動生成してくれるようです
で、自動生成された鍵をどこで確認するんだろうと思ったらネットワーク一覧から VPN ゲートウェイとカスタマーゲートウェイを結ぶ線をクリックすると VPN コネクションの情報が確認できます
(確認するのが面倒な場合は適当な文字列を自分で決めても OK です)
nifcloud_vpn15.png

ここに表示されている事前共有鍵をコピーしておきましょう

west-1

そして west-1 側に VPN コネクションを作成します
先ほどの事前共有鍵を設定しましょう
nifcloud_vpn16.png

これで双方で VPN を張れば双方のコネクションのステータスが緑になるはずです
nifcloud_vpn17.png

動作確認

一番てっとり早いのはプライベート LAN 上に VM を作成して IP を手動で振ってそれぞれアクセスできるか確認する方法です
てっとり早いといいつつ

  • VM 作成 (プライベート LAN に入れる) -> FW 設定 -> グローバル IP で SSH してプライベート IP を手動で設定

という作業が 2 台分必要になります
操作は割愛しますが成功すると以下のようになります
nifcloud_vpn_demo.gif

またルートテーブルを初めに見せていますが以下のコマンドでルートを追加しています
これがないと通信できません

east-1 側の VM

  • ip r add 172.16.2.0/24 via 172.16.1.1 dev ens192

west-1 側の VM

  • ip r add 172.16.1.0/24 via 172.16.2.1 dev ens192

うーんそれでもダメだなーという場合は FW を全開放にして一度試してみてください

最後に

ニフクラ VPN を使ってリージョン間で VPN を張ってみました
VPN をちょっと試してみたい場合にはいい方法かなと思います

参考サイト

2018年6月21日木曜日

Audio MIDI アプリを使って USB マイク 2 本で収録する方法

概要

前回 ECM-PCV80U 2 本と Mac を使って録音する方法を紹介しました
問題としてトラックが同じになってしまうという問題がありました
Mac に標準で搭載されている Audio MIDI アプリを使うと解決することができたので紹介します
そしてこの方法を使えば Soundflower も LadioCast もいらないので標準のアプリだけで完結されることができます

環境

  • MacBook Air (10.13.5)
  • GarageBand 10.2.0
  • Audio MIDI
  • SONY ECM-PCV80U

Audio MIDI でマイクをバンドルする

Audio MIDI は複数の入力/出力機器を束ねて 1 つの仮想的な装置を作成することができます
GarageBand は 1 つの入力しか受け付けることができませんでしたがこの機能を使うと 1 つの入力の中に複数の入力装置を含めることができます

まず Audio MIDI 設定アプリを開きます
そして、一番下の「+」ボタンから「機器セット作成」を選択します
audio_midi_podcast1.png

新たに機器セットが作成されます
使用するデバイスを右ペインから選択しましょう
今回は USB 接続した UAB-80 x2 を選択します
また機器の名前も決めることができるので好きな名前を設定します
audio_midi_podcast2.png

GarageBand の設定

まず設定から入力装置を選択しましょう
システム設定になっている場合は Mac のサウンドの設定から出力装置を先ほど作成した Podcast Mics にしてください

そして 2 つのトラックを作成します
1 つ目のトラックの入力は「1 (Podcast Mics)」を選択します
audio_midi_podcast3.png

そして 2 つ目のトラックは「2 (Podcast Mics)」を選択します
こうすることで 1 つの GarageBand への入力から複数のトラックでの録音を実現することができます
audio_midi_podcast4.png

また各トラックの設定を「録音可能状態」にしておきましょう
デフォルトだと ON になっていないので、トラックを右クリックして「トラックヘッダを設定」->「録音可能」にチェックをしてください
こうすることで録音ボタンを押した際にすべてのトラックの録音が同時に開始されます
audio_midi_podcast6.png

動作確認

あとはマイクを ON にして録音を開始すれば OK です
それぞれのマイクの声がそれぞれのトラックとして録音されると思います

もしマイクの音を調整したい場合は普通にサウンドからそれぞれのマイクの設定を変更すれば OK です
audio_midi_podcast5.png

最後に

Audio MIDI アプリを使って複数の USB マイクの声を別のトラック情報として録音する方法を紹介しました
Podcast の収録方法はいろいろと紹介してきたのですが、USB マイクを使う場合おそらくこれが一番簡単で王道な方法だと思います

まず一番に純正アプリだけでできるというのが嬉しい点です

参考サイト

2018年6月20日水曜日

SONY ECM-PCV80U 2 本と Mac 1 台を使って Podcast を録音する方法

概要

過去に Skype を使った Podcast 収録方法をご紹介しました
今回はマイク 2 本と Mac 1 台を使ってローカルに 2 人の声を収録する方法を紹介します

環境

  • MacBook Air (10.13.5)
  • Soundflower
  • LadioCast 000012004
  • GarageBand 10.2.0
  • SONY ECM-PCV80U

マイクは USB 端子を使って直接 MacBook Air に接続すれば OK です
two_mic_podcast1.jpg

なぜこの構成にするのか

遠隔地の方とやる場合は過去に紹介した Skype をつかう方法でいいのですが対面で収録する場合には Skype は不要です
逆に Skype を使ってしまうと収録している声とリアルで聞こえることにラグが生まれてしまい非常にしゃべりづらいです
なので、対面の場合にはローカルに直接録音しています

実は過去にマシンを 2 台使ってそれぞれのマシンに録音する方式をとっていました
それぞれのマシンにそれぞれの声を録音しあとで 2 つの声を合体することで会話にしていました
それでも問題ないのですがそれだと単純に 2 台のマシンを持ち歩かないといけないので大変です

という理由でマイク 2 本+ Mac 1 台という構成で録音する方法を紹介します

あとは実はこの構成を紹介しているサイトや情報があまりなく、同じように困っているように人が多いように見受けられ、やってみたところ上手くいったので紹介します

設定方法

マイクと Mac は上の写真のように USB 端子を使って直接接続すれば OK です

事前準備

今回使用するソフトウェアは

  • Soundflower (公式から)
  • LadioCast (Mac App Store から)
  • GarageBand (Mac App Store から)

です
こららのソフトは事前にインストールしておいてください

Mac のサウンド設定

two_mic_podcast2.png

入力装置を「Soundflower (64ch)」にします
2ch でもできると思いますが今回は 64ch にしました
また、マイクが 2 本認識されていることも確認してください

GarageBand 設定

two_mic_podcast3.png

環境設定です
出力デバイスと入力デバイスは先ほど設定したシステム設定を使います

two_mic_podcast4.png

トラックはオーディオトラックを 1 つ追加します
そして下部のトラックの入力を「Soundflower (64ch)」にします

LadioCast の設定

two_mic_podcast5.png

入力1 を「UAB-80」入力2 をもう一方の「UAB-80」にします
表示上はどちらも同じなのですがプルダウンを開くと 2 つの UAB-80 があるのでそれぞれで別のものを選択してください

そして入力1 と入力2 の「メイン」のボタンを有効にします

出力メインは「Soundflower (64ch)」にします

ようするに 2 つのマイクの入力を Soundflower (64ch) にまとめて 1 つのチャネルにしそのチャネルへの出力を GarageBand で録音する感じです

今回の構成のデメリット

LadioCast で 2 つの入力を 1 つの出力にまとめている関係上、GarageBand でそれぞれの声を別のトラックとして録音することができません

これは例えば自分の声だけゲインするということができません
録音したら相手の声があまり聞こえないから相手側だけゲインしたり相手のノイズが酷いので相手側だけノイズ削除するということもできません

録音した結果お互いの声がほぼ同じ声量であれば問題ないのですがそうでない場合に今回の構成は弱いです
特に ECM-PCV80U はマイクと口の距離が離れていると声が小さくなりがちです
10cm 以内であればはっきり声が聞こえますがそれ以上離れると途端に声が小さくなってしまいます
なのでなるべくマイクを近づけて収録しなければならないというデメリットもあります

そういった場合には実は Skype を通して録音したほうが良いというケースもあります
Skype には自動でマイク音量を調整する機能があるので、声が小さい場合に自動で大きくしてくれます

あとは単純に他のマイクを使うという手がありますが、そうすると逆に今回の構成は取れないと思います
ECM-PCV80U はバスパワー方式のコンデンサマイクで USB 端子で動作するのが最大の特徴です
他のコンデンサマイクのようにファンタム電源のような特殊な電源が不要で USB に挿すだけで使えるので今回の構成を取ることができます

最後に

ECM-PCV80U 2 本と Mac 1 台を使って Podcast を収録する方法を紹介しました
ECM-PCV80U はコスパが良いマイクとして有名ですが、使ってみた感じだと正直 Podcast には向いていない気がしています

ただバスパワー方式という特徴を利用して今回のような構成を取ることができるのは嬉しい点かなと思います

2018年6月11日月曜日

ニフクラ DNS でサブドメインを委譲してみよう

概要

サブドメインの委譲とは簡単に言えば別の DNS サーバでレコードを管理することができる機能です

環境

  • ニフクラ (2018/06/11 時点)

やりたいことは以下の通りです
nifcloud_dns0.png

A 側が委譲する側で B 側が委譲される側です
委譲されたあとは B 側に対して操作することになります

A側: サブドメインを登録する

まずは A 側にサブドメインを登録しましょう
この段階ではまだ登録できません
nifcloud_dns1.png

「登録する」を選択すると次の画面で登録する TXT レコードの情報が表示されるのでメモしておきましょう

B側: TXT レコードを登録する

先程表示された TXT レコードを B 側に登録しましょう
要するに委譲する B 側がちゃんと自分の持ち物であるかチェックします
以下のように登録しましょう
nifcloud_dns2.png

タイプに TXT を選択して値に認証用の文字列を入力します
問題ないなら「確認へ」を選択しましょう
こんな感じで登録されれば OK です
nifcloud_dns3.png

A側: 認証する

あとは先程認証できなかった A 側で認証すれば OK です
「認証処理を実行する」を選択しましょう
ちゃんと B 側の DNS サーバに TXT レコードが設定されていれば以下のように認証完了画面が表示されます
nifcloud_dns4.png

動作確認

あとは A 側に A レコードを追加してみてちゃんと IP が引けるか確認してみましょう
特に問題なく引けると思います

また認証が完了した後は B 側の TXT レコードは削除して OK です

最後に

ニフクラ DNS でサブドメインの委譲やってみました
委譲する側で TXT レコードを設定するだけなので簡単です
今回はニフクラ DNS -> ニフクラ DNS でやりましたが、ニフクラ DNS -> Route53 なども同じやり方でできます

サブドメインは別の DNS で管理するということはよくあるユースケースかなと思います